2021年6月30日(水)大井11R 第44回帝王賞【JpnⅠ】
【レース予想】
今年の上半期ダート王決定戦は中央地方双方から有力馬が集結し混戦模様。
非常にハイレベルな戦いが期待できそうだ。
◎チュウワウィザードは前走のドバイワールドカップで2着と好走し、その実力を世界に見せつけた。
昨年のチャンピオンズカップではクリソベリル、ゴールドドリーム、インティといった日本のトップクラスを抑えての優勝と、ここ数戦で確実に力を付けている。
今の状態であれば、当舞台で3度の先着を許しているオメガパフュームに逆転も可能と見た。
〇ミューチャリーは前走大井記念が圧巻の内容。
地元馬同士ながら、勝ち時計2:04.3は例年の帝王賞でも勝負になる時計だ。
▲オメガパフュームは言わずと知れた"大井の鬼"。
当然ここも上位争いの一角だ。
連下には怒涛の快進撃を続けるカジノフォンテン、充実期を迎えたオーヴェルニュ、紅一点牝馬トップホースのマルシュロレーヌを抑えたい。
【有力馬診断】
1-1 ヒカリオーソ
3歳時には東京ダービーを制した素質馬だが度重なる故障で近走は精彩を欠く内容。
南関東の世代頂点に立ったプライドを懸けて、この大舞台で復活を期す。
3-3 ミューチャリー
今回と同条件で行われた前走大井記念では後方から一捲りで2着馬に1.2秒差をつける圧巻の内容。
地元馬同士のレースとはいえ勝ち時計2:04.3は非常に優秀で、昨年のクリソベリルが2:05.3、一昨年のオメガパフュームが2:04.4、3年前のゴールドドリームが2:04.2と、過去3年の帝王賞でも勝負になる時計だ。
追い切りでも絶好の動きを見せており状態面は上々。
2歳時から南関東のトップに君臨する総大将として、同期カジノフォンテンには負けられない。
悲願のG1制覇に向けて大きなチャンスがやって来た。
4-4 テーオーケインズ
前走のアンタレスステークスで重賞初制覇、昨年の東京大賞典では0.2秒差の6着と地方適性も問題なさそうだ。
今回は一気の相手強化になるだけに、力関係だけが気になるところ。
4-5 カジノフォンテン
今年に入って負け無しの3連勝、うち2勝が川崎記念とかしわ記念なのだから、この勢いは本物だ。
ただし今回はその実績から厳しいマークが予想され、決して楽なペースにはならないだろう。
JRAの超一流馬が早めに仕掛けてきたときの対応は未知数で、人気必至な今回は妙味が薄いようにも思える。
昨年の東京大賞典で2着と克服しているとはいえ、得意の左回りから右回りへ変わるのも好材料とは言えない。
実力は認めるが、今回は抑えまでとしたい。
5-6 ダノンファラオ
前走のダイオライト記念では想像以上に強い内容での完勝。
大井2000mはJDDを勝った舞台だが、その後はJBCクラシック5着、東京大賞典12着とイマイチの結果。
前々走川崎記念も逃げたカジノフォンテンを2番手で追走しながら先に苦しくないようでやや不満が残る。
揉まれると弱い馬だけに外枠が欲しかったところだが真ん中の枠、鞍上川田騎手の腕が問われそうだ。
5-7 チュウワウィザード
前走のドバイワールドカップでは世界の強豪を相手に2着と大健闘。
昨年のチャンピオンズカップでは日本のトップクラスが揃った中での勝利と、ここ数戦で確実に強くなっている印象を受ける。
左回りの方が得意と思われがちだが、本格化して以降、右回りで先着を許したのはクリソベリルとオメガパフュームの2頭のみ。
寧ろ"大井の鬼"と言える2頭と差のないレースをしているあたり、今の充実度を持ってすれば逆転可能と見ている。
6-8 オメガパフューム
"大井の鬼"が再びの帝王返り咲きを狙う。
大井2000mでは4-3-0-0とパーフェクト連対、一昨年の帝王賞に東京大賞典3連覇と舞台実績は頭1つ以上抜けた存在。
この条件で先着を許したのはルヴァンスレーヴとクリソベリルのみなのだから、今回も当然高い評価が必要だ。
ただ昨年の東京大賞典では勝ち切ったもののタイム差なし、前走の川崎記念は苦手の左回りで2着だったとはいえやや物足りない印象を受ける内容。
今年で6歳を迎えるだけに、ピークを過ぎている可能性も考えなければならない。
7-10 オーヴェルニュ
前走の平安ステークスでは2着馬を1.0秒突き放す完勝で重賞2勝目。
充実度で言えばこの馬も全く引けを取らない。
フェブラリーステークスでは輸送で馬体を減らしての大敗だっただけに、今回も東京への輸送が鍵となりそうだ。
7-11 ノンコノユメ
5年前のフェブラリーステークスを制した古豪が3つ目のG1タイトルを狙う。
以前は2000mはやや距離が長い印象だったが、年を重ねるにつれて適性が長い方へシフト、今ならば2000mくらいが寧ろちょうど良いだろう。
一昨年は本レース3着で東京大賞典2着と舞台実績もあるだけに侮れない。
8-12 マルシュロレーヌ
今回のメンバーならばスローペースにはならなそうで、展開が向く可能性は高そう。
自慢の強烈な末脚は牡馬一線級相手でも通用するはずだ。
8-13 クリンチャー
昨年のダート転向以来、10戦して4着以下は2回のみと堅実な走りを見せる。
パワー溢れる走りが持ち味で地方の砂は合いそうな印象だが、一線級との対戦経験は少なく、力関係が鍵となりそうだ。